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東南アジアのアレコレ帳

2000.08.29〜スラム街で〜

今日はアぺロクルスに行く日。

アペロクルスはマニラに400以上あるといわれる
都市貧困地区の一つで、その起源は1960年代にさかのぼるといわれている。
住民の多くは地方の貧しい農村や漁村からやってきた人々で、
現在はその子どもたち、孫たちも暮らしている。
約5000平方mに約7000人も住んでいて、
しかも水道の通っていないところが多く、衛生状態もよくない。
不安定な仕事についているため人々の収入は低く、
約50%の子供たちが教育を受けたくてもその余裕すらないという状況。

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パヤタスでのことがあったのでアぺロクルスに行くことは
とても緊張した。
朝からの雨で市街の道が浸水していてびっくりした。
到着したアぺロクルスはパヤタスとはまた違った街だった。






第一印象は活気があって、みんな頑張っている印象を受けた。
ここで私たちツアー参加者が公衆トイレ(こどもたちの命を脅かす伝染病の減少、住民たちへの衛生知識の向上などを目指し、公衆トイレを建設するプロジェクト)を掃除する予定だったが、トイレは地域の人が掃除したあとだった。

「日本から来たみなさんに、自分たちが汚したトイレを掃除してもらうなんてそんなことできません」
ツアープログラムの難しさを感じた。

地域の集会所の前で「おっはー」を教えたら、こちらを遠巻きに見ているこどもたちも
寄ってきて仲良くなった。
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そのあと、グループにわかれて家庭訪問を行った。
想像していたよりも綺麗で広かった。
しかしインタビューをするうちに、将来医者になりたいとがんばっている一番上の子が心臓病であることを知る。
もちろん治療にはお金がかかる。この家にはそんな経済的余裕は無い。
どうしてこんな不平等なことがおきるのだろうか。
神様に問いつめたい気持ちになった。
私たちは簡単に「がんばって」なんて言える立場じゃない…

ここで行われている医薬品プログラムはとてもいいプロジェクトだという印象を受けた。
アペロクルスの人々は、収入が十分でないために、病気になっても医者にかかるどころか薬さえも買えない、という状況。そこで、人々に市価よりも安く薬を提供しようというプログラム。現在、現地のコーディネーター二人が担当して薬の販売をしており、約100家族が月会費5ペソ(約15円)で、利用している。
でも本当に困っている人はここからももれてしまっているじゃないだろうか…

お昼を食べてから、地域の小学生たちとデイケアセンター(小学校に就学する前のこどもたちの学習施設)で交流会。
フィリピン人はダンスがとてもうまい。
私たち日本人グループの「幸せなら手をたたこう」は思ったより
ウケた。(と思う)

デイケアセンターの小さな窓からスラムの建物とその向こうに高層ビル街が見えた。
今さらながらこの国の抱える問題の大きさに愕然としてしまった。
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どうしたらみんなが幸せに暮らせる世界になるんだろうか?
宿舎に帰ってからも何だかモヤモヤした気持ちでいた。

夕食のあと部屋に帰らず、ACCEの責任者のOさん、スタッフのTさん、Wくん、Hくんとずっと話しこんでいた。
今、私がいるこのフィリピンという国。日本が大きく関わった第2次世界大戦のこととかもっと勉強してくればよかった。
みんなと話していると、学ぶことばかりだ。
とにかくOさんはすごい人です。
なんといってもタフ。それに洞察力も物凄い。
一応大学の先輩にあたる。マニラ事務局のOさんも。
なんだか親近感がわいてきた。

by aj790411 | 2001-08-29 00:58 | 東南アジア
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